宇宙のすべてのものは、絶えず動いて変化し続けていて、どこまでも無限に続いているんだ。
例えば、大地の水分が蒸発して雲になり、雨となり、川や海になって、また雲に戻るのはわかりやすい例だと思う。草木は四季の変化で栄えたり枯れたりし、家は風雨で傷んでいく。人も生まれて子供から大人に成長し、やがて老いて死ぬ。蚕が卵から孵って繭を作り、蝶になって生涯を終えるのも同じ。時間の長さは違えど、変化のプロセスはみんな同じだ。
太陽や月、星々も、無限の寿命を持っているわけじゃなくて、様々な動きの中で次々と形を変えていくんだ。そしていつかは終わりが来る。でもその解体の約束ってのは、ただ生命は必ず滅びるという自然の摂理から来ているんだ。科学的にも実証されてるから、それに注目して欲しいな。
すべてのものが滅びるとは言っても、それは物質が消えるわけではなく、形を変えるだけなんだ。水分が蒸発して雲になるのは、地上の水がなくなるわけじゃなくて、ただ形が変わるだけ。朽ちた木や燃えている薪があれば、そこには繁茂している森林がある。朽ちて消えたり燃え尽きたりする物質は、新しい樹木の形に変化するんだ。
宇宙にあるすべてのものは、天体からちりやほこりまで、常に変化の中にあっても、本質は失われず、増減なく、強い法則の中で存在し続けてきたんだ。
物質の変化や不滅の法則は、人間の想像力が及ぶ範囲をはるかに超える素晴らしい構造と組織で活動してきたんだ。天然の七色は濃淡を変えることなく常に美しく、七十元素の性質も変わらず、万物の生滅も必ず一定の法則に従うんだ。
これを人間に当てはめると、千年前に火傷した人も今日火傷した人も感じる痛みは同じで、火や負った傷も同じ。千万年前から今日まで、五大州に住む人々も同じで、外見も内部の微細な組織も同じ。人間の技術では真似できないほど精巧な構造を持っているんだ。
例えば、人間の首は、自由自在に前後左右に動かせるけど、止まるときは微動だにしない。どんなに優れた技術力でも真似できないような部分がたくさんあるんだ。これはほんの一例で、他にもたくさんあるんだよ。
さらに、構造や組織が精巧なだけでなく、その機能も見事なんだ。気候の違いや人工的な習慣・故障がなければ、同じ食べ物や薬を与えれば必ず同じ結果が現れる。酒を飲めば酔い、吐下剤を飲めば吐き、夜は眠り昼は起き、食事の回数もほぼ同じだ。
形だけでなく、見えない感情や喜怒哀楽について考えても、知識の差はあれど、人間の心情の根本は同じだ。男女が親しみ合い、親が子を愛し、兄弟姉妹や友人が助け合うのは当然のことだ。
特に、人間が恥を知り、義理を知り、物事の重要性を理解し、必要な時を予測し、便利さを求めて改善し進歩することは、自らを万物の霊長として尊重する証なんだろう。
その点動植物界を見ると、人間の心と同じものはなく、進歩の痕跡もないのにさ、雌雄の欲望の在り方は似ているし、形態や構造に関しては、人間も鳥獣や草木と全く同じ状態なんだ。ほんと不思議。馬は馬を産み、梅の実からは梅の木が生え、鳥獣や草木の種はそれぞれの系統が受け継がれて変化することなく維持されていて、変化しないんだ。
チョウの羽って、肉眼で見てもすごく美しくて、顕微鏡で見たらもっと驚くよ。同じ種類のチョウでも、何万匹といても、形は全く同じなんだ。これが自然の法則で、生き物だけじゃなくて、石や砂、ほこりまで全部同じ法則で作られてるんだ。自然の摂理って、人間の理解の範疇を超えてるよ。自分の身の回りを見れば、ちっちゃなちりの中にも自然の法則があるって気付けるし、自分自身もただの自然の一部に過ぎないってわかるはずだよ。
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